2 初夏

 春から初夏へと、木々の緑は、二日と同じ色を保つことなく、鮮やかさを増していく。
そんな木々に囲まれていると、出来るものなら、そのまま溶けてしまいたくなる。

白タンポポ



 畑の草木灰に集まり、ミネラル分を吸っている蝶の群れ



新緑を映し込み、流れは、より青く


透き通る羽

 ふわり、ふわり・・・ゆっくりと上下する半透明の羽が、山裾の澄んだ空気の中を漂っている。
氷河期からの生き残りと言われる「ウスバシロチョウ」(別名 ウスバネアゲハ)
春から初夏、期間限定のこの蝶は、交尾の時、オスが出す分泌物で、メスの下腹を固めてしまうので、以後、他のオスとは交尾出来なくなる。

 メスにとっては、生涯にただ一人(匹)の異性なのに、もしオスが、その後、他のメスとも交尾するならば、なんだか割り切れないハナシだ。
より優秀な遺伝子を求めるのは、生き物の本能なのだから、メスがそれを望むのは至極当然のこと。
命は、そうして進化してきたのだから。


ハルジョオンの花に止まる、ベニシジミ
 モンキチョウ


 ヒナゲシ(虞美人草)

その昔、中国の「虞」という超美人の死後、
その墓から生まれたという
 


 初夏の風に、紅い花が、ゆらゆらと揺れている

薄い紙細工のような花びらは、翌日には散ってしまう。

虞美人草、花に代わっても、その命は短い



ヒトツバタゴ(栽培モノ)
「ナンジャモンジャ」と呼ばれる、木犀科の花は、日本では、極限られた地域にしか自生していない。
県内東部に、自生地があるらしい。


 カマキリ誕生

 ある朝、庭先で行われた誕生祭
無数に蠢く小さな命が散っていく。 


 地面に降りるなり、アリに襲われるもの、
途中の蜘蛛の巣に掛かって命を落とすもの・・・

いったい、この中のいくつが生き残れるのだろう?


いつもどこかで

 花達の傍らでは、いつも殺戮が行われている。
小さなものは、大きなものに、そしてより大きなものにと、命は循環していく。

 アブラムシを食べる、子カマキリ

 獲物を捕らえたクモ
(ササグモ?)

 寄生蜂に侵されたモンシロチョウの幼虫
幼虫右側の黄色いブツブツが、寄生蜂の繭

 体内に産み付けられた卵は、孵ると、
幼虫の体を食い荒らしながら成長し、
時期が来ると、その体を破って外へ出て、
繭を作る。
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