3 初夏の顔

 初夏の風が、緑の香りを運ぶ。
少し目を凝らせば、すぐ傍らで、様々な命が、それぞれの一生を歩いている

タンポポの綿毛が、陽に透ける


ウドンゲの花

その昔、「百年に一度咲く」
・・・なんて言われた伝説の花は、クサカゲロウの卵
 
 普通は、
餌のアブラムシなどが居る植物に産み付けるけれど、
タマーに、物干し竿とか、室内の天井とか、
とんでもないところに産み付けているボケもいる。


柔らかそうな毛玉を思わせるのは「ネム」の花
梅雨時の山を、淡いピンクのぼかしで彩る


威嚇

 目はほとんど見えず、飛ぶための羽も無く、触覚だけで生きているような無力な幼虫に出来ることは、
臭い匂いとともに、角のような触角を出すのが唯一の威嚇法。
クロアゲハの幼虫

真上から

 アタマの両脇の、目のようなものは模様

蝶は、鳥の天敵である蛇の目模様を持っているものが少なくない
一見、派手に見える体色や模様も、食草の背景に、見事なまでに溶け込んでいる

 キアゲハの幼虫

 食草が、ニンジンやセリなので、
畑のニンジンに付く幼虫を、
「ニンジン虫」などとも呼ぶ


長い眠りの後に

 長い時間を掛け、地を這って辿り着いた幼虫は、周りの色に合わせて蛹へと変態する。
冬越し用の蛹は、長期の耐寒性に対応するようになっているらしい。

 眠りから覚めれば、まるで違う生き物へと代わる。
大きな目と長い足、空を飛べる大きな羽!!それは一体、どんな感じなのだろう?
 蛹になる直前の様子

皮を脱ぎかければ、見る間に蛹になっていく

タマタマ見つかっただけで、大抵は、行方不明だ
この石垣の個体は、ある早朝、羽化して行った。
蛹から出た直後
蝶自体が黒いのに、日陰なので、ツブれてしまっている
 羽が伸びてきたところ

蝉などと違い、寝袋のような形状の蝶の蛹は、
脱皮がしやすいらしい。

 ちょっと目を離した隙に、スポンと出てくるので、
三脚立てて、一時間以上も待った努力はナニ?
我が家で見る限りでは、羽化してから飛び立つまで、
4時間程度は掛かるようだ。


 アゲハやモンシロなどの蛹が、
頭部を上にして支えるのに対し、
タテハ蝶の類は、ぶら下がり型

 ツマグロヒョウモンの蛹
濃茶地に、金属を嵌め込んだような金色の模様は、威嚇用だろうか?
例によって、これも、羽化してから気付いた


不運

 同時期産まれた沢山の命の中、オトナになれるものは極めて少ない。
ここまで生き延びて、
羽化に失敗したキアゲハ
 こちらは、ウスバシロチョウ

 言うまでもなく、自然界は厳しい。
飛べない蝶にある未来は、死のみ。 

 ギフチョウと同じく、枯葉の下などで、糸を張らず蛹になる。
以前、何かで見た羽化直後の映像は、かなり慌しいものだった。

 アリなどに襲われるのを避ける為、蛹から出た蝶は、
縮れた羽のまま、全力で走るのだから。


静寂

繰り返す季節は、螺旋を描き重なっていく・・・

 蛇が植物になったかのような「カラスビシャク」

ネジバナ これでも立派な蘭科の花 


脱皮を繰り返し、成長していくカマキリ


別名、「酔蝶花」とも呼ばれる、クレオメの花
 
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