6月12日
蛍飛ぶ里


 闇の中、音も無く、やってくる光・・・
ひとつ、またひとつと、またたきながら。
 闇の中の密かな逢引き、集まった光は、また、どこかへ散ってゆく。

 その昔、蛍は死者の魂と言われた。
私も、そうまでして還りたいと思う時が来るのだろうか?
(ワンパターン、リコリス、また、「蛍inホタルブクロ」の写真)

蛍飛ぶ、光の軌跡

 「ほ、ほ、ほーたる来い、こっちの水は甘いぞ?」 
歌の文句もダテじゃなく、蛍の成虫は、消化器官を持たないので、成虫になってからは水しか飲めない。
 僅かな成虫期間にカップルになり、水辺リのコケなどにクリーム色の卵を産みつけた後は、成虫は短い一生を終える。
(これくらいまでは、蛍をカップルで籠に入れておけば、普通に見られる)
 蛍は、成虫だけでなく、卵も、幼虫も、蛹も、淡く発光するらしい。

 孵った幼虫は、成虫とは似ても似付かぬグロテスクなカラダに凶暴な性質だ。
このことから、「蛍が水しか飲めないのは、過去の自分の罪を悔いているからだ」・・・などと表現されることもある。
 清流に住む淡水性の巻貝「カワニナ」を襲い、生きたままの貝を食べ成長するので、カワニナの住まない場所では暮らせない。
この辺りも、一時は農薬散布で、蛍が全く見られなかった時期があるが、その後も前のようには増えないのは、休耕田が増えたからかも知れない。
 
 まあ、なんにせよ、人間てヤツは、何をしても、自然界には罪な存在ということだ。
成熟した幼虫は、陸に上がり、地中に繭のような空洞を作り、(繭ではないが、土を塗り固めた部屋)蛹になり、翌年のシーズンに羽化する。
そうして、今、その蛍が舞っているワケだ。
 
 蛍は、その死後も暫くは光る。
腹部の発光器が、一節のがメスで、二節のがオス、一般的にメスの方が体が大きい。(写真下参照)
オスとメス、仲間のコミュニケーション用と、発光パターンがいくつかあるのだそうだ。
 去年も書いたが、このテの私の知識は、ネットで得たモノでなく、とても古いモノなので、蛍についての最新の研究などは知らないが、並の教師程度には負けない。 ・・・と思っている。
(私のポリシーは、「知識は、いくらあっても邪魔にはならない」である。)

 今時分のものは、カラダの大きい「源氏蛍」暫く空いて盆頃に出るモノは、小型の「平家蛍」(通称 米蛍)と呼ばれるものだ。
いずれも、名の由来は、そのまんま、平家と源氏の魂が蛍になったという想定だ。
熱も無い、不思議な蛍光色の発光メカニズムは、体内に住むバクテリアによるものと予想されてはいるが、その大部分については、未だに謎だという。
(なんか、去年と同じ文句のような気がする?)
 
 人家が近いとは言え、夜の神社近くの廃屋前の撮影は、あまりキモチのいいものではない。
夜の神社は、昼間の結界が無くなるから、「良くないモノ」が集まるのだそうだ。
 撮れた光は、ちゃんと蛍のモノだったという確証は無い?


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向こう側がオスで手前がメス 発光器の違い 
左がオス、右がメス
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