05年

アートフラワー プチ講座

 数日前のお出掛けで、某スーパー系店でセール品を物色していたら、アクセ売り場で、コサージュ類が沢山売られているのを見た。
よく見ると、胸元に付けるタイプのものばかりじゃなく、ヘア用のものと半々くらい。

 この夏は、ガラスビーズのキラキラヘアアクセが流行ったが、この秋冬は、コサージュ系の髪飾りが流行るらしい。
一昔前にも、コギャルの間で、安っぽいハイビスカスの髪飾りが流行ったけれど、今回は、黒や、ワイン色などの秋色のシール(起毛素材)など、重厚な感じのものが主だ。

 デーハーリコリスは、このテのものが大好きだ。
買おうかとも思ったが、同じのが2個無いし、(←左右に欲しいヤツ)土台のピンが小ぶりなので、私の髪量には無理がある。


 帰ってから、ネットで検索すると、あるわあるわ・・・既存の造花店が、ホクホクしている様子が伺える。
しかし、重厚な色のが無かったのと、一輪の造花に、なぜ千五百円以上も出さにゃならんのさ?とアホらしくなりやめた。
 コロっと忘れていたが、私は、そういうこともやっていたから、ある程度の道具は揃っている。
そういえば、以前、個展用に作った花の残りの材料が無かったろうか?と、物置に化した隣の部屋を探ると、やっぱりあった。

 しかし、私の作っていたのは、ウェディングブーケなど、大柄でキッチリした花が主なので、今回はヤバそうだ。 

 こういうのを載せると、また「店を出せば?」とかいう意見がきそうなので、先回りして書いておこう。
できるものならば、とっくにやっている。
 私がこの道へ首を突っ込んだのは、十代の頃、通っていた洋裁学校の中の教室で、基礎だけ憶えて、その教室はやめた。
金もヒマも無い私の周りは、皆、時間のある裕福な主婦層ばかりだった。

 以後は、必要な時に造るだけ。
なぜって、役に立たないのに、とにかく、時間と金が掛かるモノだからだ。
 それと、どんなに根性入れて造ったものでも、葉一枚でも自然のモノには勝てないというジレンマが付きまとうから。
それはそれでいいじゃないかという人も居るだろうが、私はそれではイヤなのだ。


 それでも当時は、そこそこの趣味人口があり、比較的、材料も手に入りやすかったのだが、コテなど、専門の道具が要ることで、入り口は狭まり、より専門的な技術が進み、一般人には遠い世界の趣味となってしまい、材料も手に入りにくくなった。
 巷には、大量生産の安いシルクフラワーが並び、大衆からすれば、コサージュが5千円もするようなシロモノでは、当然、市場が限られている。
かくいう私も、コサージュなんて使わないし。(服自体が派手だから)

 この道でやっている、極々一部の人びとは、流派の枝に入ることで「なんとか師範」の資格を取り、ヒマと金のある奥様相手に教室をやるか、作品即売会をやるかだが、東海地方では、東京の価格では売れない。
 そんじゃ、流派に入らなきゃいいじゃないかと思われるかも知れないが、そうすると、そこの造った特殊コテなどが使えないというになる。
 

 以上は、私が、県内の電話帳で探した、当時唯一だった教室の先生に、頼み込んで材料を分けて貰ったときに(7年前くらい)聞いた話である。
その教室も、不況でパートに出る主婦が増えたことで、生徒の数も減る一方だそうだ。
始める時には、道具一式で十万円くらいは要ることもあり、趣味というには、金が掛かり過ぎるものだからだろう。

 どんな道も、超一流でなければ、それで食っていけるようなものではないということである。
なまじ器用貧乏な分、飽きっぽい私に、それだけをやれというのは、もはや趣味というより、苦痛でしかないのだが。

 でも、粘土の花は、ちょっとやってみたかったなぁ。 (コレも、かなりの型が要る)

材料 花の風合いに合わせて各種アリ
安いところでポプリン、合繊薄絹、オーガンジー等

中には、ワンカット(45センチ×90センチくらい)で
¥8000を越えるもの(正絹)もあるが、ウチには無い。

 まず、材料の生地を切り抜く
今回は手抜き仕様なので、4枚の花弁がくっついている。

コットンと、ビロードを使用
浸透液(中性洗剤を薄めた水)に漬ける
刷毛で塗ることもアリ

今回は、濃色に染めるので、薄めた色を混ぜてある。
 専用の色を混ぜ、
筆でグラデーションを付けながら染色

 専門の人は、専用の吸い取り紙を使うが、
高いので新聞紙を使用
これが、
立体の絵とも言われるアートフラワーの所以

 淡色や中間色の場合は、
何色も重ねて、色に深みを付ける
 放置して乾燥させる
今回は、厚手の素材ばかりなので、
なかなか乾かない

専門家は、(こればっか)専用の乾燥機を使う

 専用スポンジ台の上で、コテを当てる
写真は、花弁に丸みを付ける「丸ゴテ」

それぞれの花の特徴に合わせた「コテ先」は、高いものだと二万を越すが、やはり、そんな高価なものはウチには無い。

手持ちで一番高いものは、「花脈ゴテ」¥7500円也
その名の通り、花弁に脈を付けるコテだ。

バラなどの場合、この後、「ヘリ返しゴテ」で、花弁のヘリを返す
薄地の場合、各花弁の裏に、同色に染めた地巻きワイヤーを貼る
 上記の先生宅では、あの細い花弁全部にワイヤーを貼って、カールを出した彼岸花を見たが、凄かった。

今回はバラなので、シベ類は無いが、花により、色んな材料が必要。


 一応、コテ各種
左から、へり返し、花脈、葉用すじゴテ、勿忘草用、スズラン用、一すじ弁ゴテ、三すじ弁ゴテ、丸ゴテ大、同小

 

 で、ようやく出来たのがコレ
ケータイと比較画像 
バックに写っているのは、残りの花弁

 デカ過ぎ!! 
翌日、ひと回り小さいものを作り直したが、やっぱり、髪飾りには不向き。
っていうか、私がバラを作ると、ラフな感じにならないのだ。

結局、使いものにはならず・・・
髪飾りは諦めよう

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