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霜襲来 ヒレンジャク

 都合のいい予感や、甘い期待は外れがちなのに、悪い予感は的中する率が高い。

 昨夜からの冷え込みは、花たちを無差別に襲った。
やはり逃れられなかったか… 
近所のモクレンが、白からページュに変わっていた。
 その彼方の山肌に咲くタムシバも、同じく、茶色に変わっていた。

 空に陣取る雪雲が、隙を窺うように待機し続けている。
時雨れが雪ではなかったのは、タマタマ運が良かっただけと思われる。

 鈍色が占めていく空、金属音が響く。
移動する音の方向を探ると、ヒレンジャクの群れがいた。
 人の気配に気づいた群れは、鳴き合いながら移動していった。


ウチのモクレンは開花が停滞していたため、今のところは、なんとかなりそうな気配
しかし、明日は、さらに寒気が強いらしい…


 開花していた花は霜焼け状態

そういえば、去年は雹で花弁が破れたような



時刻は正午に近いが、畑の汲み置き水には薄氷が残っていた


 花盛りのヒマラヤユキノシタも霜に焼け、
色が褪せてしまったた

 一度凍りついた細胞は、解凍しても、細胞膜が破壊されてしまうため、元には戻らない。
冷凍した野菜の、シャキシャキした食感が無くなるのはそのせいだ

 高山地帯など極寒地の生き物は、車の冷却水の如く、体液を濃くして凍結温度を下げ、生き延びる種もある
中には、凍てついた細胞を破壊することなく、元に戻せるという、特殊能力を備えたトカゲも居るらしい
 人間の「もしもの時」の冷凍睡眠のヒントにと研究されているらしいが、
私には、そこまでして生きたいって人のキモチは、どうしても理解できんのだが…

 こっちはもうダメだが、 
 小屋の陰に入り、霜直撃を免れた花もある


 裏庭で鉢植えにされているヒカゲツツジも…
昨日、あ、もう咲いてるのか、
と見たばかりだった


 寒風の中、飛ぶ鳶も寒かろうに



暗雲迫る空、モクレンの梢にやってきたヒレンジャク達


 ぼってりした体に、
特徴的な羽冠、
「ヒィー ヒィー」と、
独特の金属音系高音で鳴く

 尻尾の先が紅いヤツをヒレンジャク(緋)
黄色いヤツをキレンジャク(黄)と分けるが、
キレンジャクは少なく、
ヒレンジャクの群れに混ざっている

 それ、もしかして、
羽色が違うだけの同種ってのはナシ?


 冬季を日本で過ごす渡り鳥なので、
日本に春が来ると、こうして里に下り、
群れを作り、やがて、シべりアに渡る
(長距離の渡りには向かなそうな体だが)
 


 いつだったか、裏の畑にヒレンジャクの尻尾(尾てい骨付き)が落ちていたことがあった
何かに襲われた遺物らしい

 異国で死ぬのは惨いと思ったが、彼ら自身は、どちらの国を「自国」としているんだろう?
自国=産れた国、とするならば、それは日本ではない
 とりあえず、悔いを残さず逝けることを祈ってやるよ、けたたましい春告げ鳥ヒレンジャク達

 わざわざ寒地へ行かなくとも、暑くてどうしようもなくなる時期まで日本に居る、という選択はナシ?


 近所の中モクレンにとまるのは、
多分、ヒヨドリ
 
 ヒレンジャク移動のどさくさに紛れ
モクレンの花芽を食べにきたのか?

 ついでに、騒がしいムクドリの群れもきた


昨日、五分咲き程度になっていた巨木モクレン(近所の木)


 打撃受けまくり

 よそ様の木ではあるが、
ウチから丸見えなので、
毎年、咲く前から楽しみにしているんだが
 膨らんだ蕾も直撃を受け、
多分、もう、まともに咲くことは無い



全体がこんな状態
葉に先がけて咲く花木は、咲いた花が生えていいが、
こういう時、遮る葉がゼロというのはキツイ


 栽培ものだが、マムシグサの芽

出て暫くは、細い竹の子のような外観をしている



蝮が鎌首をもたげたような花穂は不気味だが、
芽は、それなりに、か…可愛い… ような気もする

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