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ウスバシロチョウ(ウスバネアゲハ)

 初夏の今頃、ひと月ほどの間だけ姿を見せる蝶が居る。
ウスバシロチョウ(ウスバネアゲハ) 氷河期から生き残っている古いタイプの蝶だ。
白蝶と名づいているが、アゲハ蝶の仲間だそうだ。
 山間部の明るい林などに住む蝶なので、あまり民家付近では見かけない。

 この蝶は、羽の燐粉がほとんどないので、羽は半透明で、向こう側が透けて見える。
モンシロチョウよりふた周りほど大きな羽で、ふわり、ふわり…と、独特の飛び方で宙を舞う。
 
 群れて飛ぶ様が、妙に非現実的な光景に感じるのは、
そこが、人気の無い場所だから…という理由だけでは無いかも知れない。

 
隣町 集落の端に近い場所
流れる清水の向こうに、新緑と藤の花



タンポポの花で吸蜜中のウスバシロチョウ

着いた直後に(一匹だけだが)即刻遭遇
向こう側の羽の脈まで透けて見えている




ちなみに、この個体は雌
尻に付いた鞘のようなモノは、交尾中、オスが出した分泌物の固まったもの


たいていの蝶は、羽だけではなく、体も、毛や燐粉で覆われているものだが、
この蝶は、体表も丸ハゲに近く、印象的には、蝶というより蛾に近い

 どうも、メスにその傾向が強いようだ


 極めて近いところから連写で撮っていたのだが、雌のためか、かなり余裕で撮らせてくれた。
普通の蝶なら、気配だけで逃げ去るか、最初の一枚のシャッター音で飛び去るものだが、
この呑気さで、よく絶滅せずにきたものだ。

 タマタマ、飛び去るところが写っていた↓


←こんな感じの明るい樹間を好む

 ウチの町も相当な山間部だが、
人口樹林の山は暗く、この蝶の好みではない
 居ることは居るんだが、
私が入れないような場所でもねぇ? 


 ←黄色の花はウマノアシガタ




ウスバじゃないが、レンゲにとまるシジミチョウ

 雄も撮りたいと思い、近くをうろうろしたのだが、
居るには居るんだが、領地をパトロールしてばかりで、止ろうとしない。
 そのうち、一匹が花へ向かったので、やたっ!と付いていくと、蝶が、花から落下して行った。

 この蝶は、飛ぶのもアレだが、留るのもヘタなのか、よく、こうして、花から落ちる。
蛍が、ポトッと落ちるのに似ている。
 風が吹いているときは、飛ばされていっているし… アゲハ類は飛翔力が強いモンだが。

 一旦、神社へ移動してみたが、そこには居なかった。(ヤマブキソウは咲いていた)
さっきの場所に戻り、もう少し奥へ行くと、山裾に小さく開けた場所に、群れて飛んでいるのを発見。
 モンシロチョウと違い、大きめなので、数匹居ると密度が濃いというか、ちょっと圧感。

 一回り大きいことと、羽の様子から、飛んでいるのはオスがほとんどのもよう。
蝶は、以外に縄張り意識が強い生き物なので、自分の領地に他者が入ると追い払ったりもする。
 飛び交う蝶の中で待っていると、頭上で蝶が交差したらしく、ばさばさと羽音が聞こえた。



ようやく一匹が止まったが、花じゃないし!






ま、これでヨシとするか…


 うろうろしていたら、
ウマノアシガタの花の群れに、
一株、白い花を付けたものを見つけた

 真白ではなく、クリーム白なので、
最初は、咲き終わりで色が抜けたのかと思ったが、
花弁の艶が、咲いたばかりの花の証を示している
左が普通の色、右が白花

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