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ミヤマカラスアゲハ誕生

 一応 注意 
この後、蝶の画像がアップで連続します。
「虫がキモイ」とか、「蝶が怖い」とかいうタイプの人は、さっさと帰りやがれ!
 今日の未明のことだ。
強行軍で酷く疲れたとはいえ、翌日はほとんど1日寝ていたから、早々と眠くはならない。
 ボサーっと、ネット見ているうちに薬も効いてきたし、そろそろ寝ようか…

 それが、午前3時頃のことだった。

 何気なく振り向くと、ニオイバンマツリの鉢に、黒いモノが蠢いている。
あっ、羽化が始まっている! 
 って、こんな時間にやるなよな〜 ←私が灯りを点けてたせいと予測

 3/7のプログに書いた、猫柳の枯れ葉にぶら下がってた蛹が、昨日から、色が変わってきていた。
蛹が半透明になり、頭部に隙間が出来ている。
 透けて見える羽には、キアゲハ特有の縞もようは見えない。 …黒アゲハ?

 鉢を室内に入れ、何度も覗いていたのだが、日中には羽化は行われなかった。
おっかしいな〜? と、引き続き、様子を見ていたのだが、まさか、こんな時間にヤるとは思ってもいない。


 しかもだ。 チラリと見えた表羽に、金属光沢の鱗粉が光った。
(嬉しい誤算だったが)コレ、キアゲハじゃないじゃないか〜!!
 オマエ、もしかして、あの、ミヤマカラスアゲハなのか〜?
 
 もう、寝てなんていられない。
ふらつく足元で階段を降り、三脚を取ってきて設置。
 蝶が身動きできないのをいいことに、撮りまくりの2時間が過ぎ、空が白んできた頃、
蝶の変化が止まったのを確認して寝た。 

 眠いよ… 仕事暇で良かった
  


気づいた時には、もうこの状態

手足が全て甲冑に入ってるような状態の蝉などと違い、
蝶の蛹は、いわば寝袋状態なので、出るのは早い


 ウチへ来た時の様子

てっきり、マヌケなキアゲハだとばかり…

マヌケ=周囲の色に擬態していない
 処置後、蛹付きの割りばしは、
ニオイバンマツリの鉢に刺した

鉢は、入れたり出したりしていたが、
先月末頃からは、戸外に…

なので、蛹にも、今寒いのは判っていたと思う


 特有の金属光沢を持つ羽

 前羽の白っぽい帯模様が、
ミヤマカラスアゲハの特徴だ…らしい


 羽は、まだグニャグニャに柔らかく、
重力で下がることで形を保っている


 一応、形が整った様子なので、
撮影の都合上、割り箸から
ニオイバンマツリの枝に移動して貰った
 こうして、羽を閉じたり開いたりして、
調子を見ているもよう

 前羽の、黒いビロード調のところは、
細く黒い毛が生えている


 「蝶は、神様の作ったものの中で、
一番の芸術品だ」


…というのは、蝶愛好家の言葉だが、
実に精密で、繊細な出来である

 胴体にも、青緑のラメが、程よく散らばり、



色調といい、微妙な加減の差し色といい、
どんな細工師でも、こんな緻密さは不可能と思わせる



アゲハ蝶の類って、この尾ヒレ部分のせいか、
なんとなく、バタ臭さみたいな雰囲気がある

日本の国蝶は「オオムラサキ」という大型の蝶だが、
私の好みとしては、国産では、この蝶が一番綺麗だ
(実は、オオムラサキは、標本でしか見たことが無い)


 いやもう… ホントに、
遺伝子というのは凄い!

 どの色を、どれだけ、どこに置くか

 いつものことながら、自然界を見ていると、
「美術や色彩学なんてクソ食らえ!」
…と思うのである。



よくある、顕微鏡写真風に…
鱗粉が並んでいるのが判る





生きている工芸品!

夜の室内という条件なので、色々やってみた
ビデオテープのケースで、フラッシュのバウンス板作ってみたり、
懐中電灯を補助光にしたり… 



鳥の声が聞こえる中、ようやく就寝
正午過ぎ、蝶を戸外へ出した



室内では緑っぽい羽も、戸外では青っぽく光る

吸蜜用と、ネコ対策で、レンギョウの花に止めたのだが、
イマイチ居心地が悪そうなので、



芝桜の上に移動

 




 名の如く、深山に棲み、素早く飛ぶ蝶を、こんな間近で観察できる機会は、恐らく、今回が最初で最後だろう。
成虫の蝶の飼育なんて無粋な真似はしたくないし、標本なんて論外だ。

 しかし、アゲハ蝶の時期には、まだ早い。
果たして、このまま飛ばせてしまっていいものかと悩んだが、↓の画像を撮った直後、蝶は、一気に飛び去った。

 まあ、桜も咲き始めたことだし、蜜も、なんとかなるんじゃないか? …と思いたい。

 あえて言うなら、タマタマ見つけ、気紛れに採ってきた蛹が、ミヤマカラスアゲハで、
滅多に会えないギフチョウが目前に飛来…なんてことが1日のうちに起きると、
 一生分の運を使い果たしたような気がする。

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