ウスバシロチョウ 5/7

 初夏の山間部、半透明の羽で、フワフワと舞う蝶「ウスバシロチョウ」
別名「ウスバネアゲハ」の名の通り、アゲハ蝶の部類に属する。・・・らしい。
 
 とても古いタイプの蝶で、氷河期から居るとか。
確か、この類は、他には、高山性の「ウスバキチョウ」だけだったと記憶している。
 
 進化もしていないのか、飛翔能力が低いのか、風に吹かれて落ちてきたり、とまった花から落ちたり、ドンくさい感じの蝶だ。
アゲハというよりも、大きめのモンシロチョウという感じだが、特有の、ゆっくりとした羽ばたきのせいで、すぐに区別がつく。
(私の周りには、この蝶を知っている人は少ないが)

 子供の頃、母の実家で見て、妙な蝶だと思ったのが最初の出会いだった。
今は亡き祖母と、僻地の穏やかな春の想い出が、半透明の羽の向こうを通り過ぎていった。


 燐粉が少ない羽は半透明
羽の向こう側が透けて見える

 羽の燐粉は、水を弾く効果もあるので、
この蝶は、雨には弱いだろうと思う。

 この個体は雄(多分)
メスは羽が黒っぽいものが多い
 右上で羽を広げているのがメス

 ちなみに、これは、「もう交尾はしないから」の
拒絶のポーズ

 交尾を終えた蝶は、雄が近づくと、
こうして拒否ポーズをとる



メス 下腹部に交尾を終えた印が出来ている

ウスバシロチョウやギフチョウの場合、交尾中に、
雄が自分の分泌物で、メスの下腹部を固めてしまうので、
そのメスは、もう、(腹部が曲がらないので)他の蝶とは交尾が出来ない

 丸で囲んだ部分がソレ

 硬い殻のようなものが付いている

 メスにこんな仕打ちをしておきながら、
その後の雄が、他のメスとも交尾していたりしたら、
同じメスとして、割り切れない気がする



雄の腹部は、すっきり





 チューリップの花の中に落ち込んでしまい、
もがいているウスバシロチョウ

 こういうところが、微妙に好き

 なんの勘違いなのか、近くに停めてある愛車の
周りを飛び続け、ヘッドライトにぶつかって落ちていたし。

 虫は、紫外線で物を見るというが・・・
 幼虫の食草はムラサキケマン

ケシ科で、アルカロイドを含む毒草だが、
「蓼食う虫も好き好き」とはこのことだ。

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